ご挨拶

2020年開催の第55回研究大会は、つくば国際会議場を会場に準備を進めておりましたが、新型コロナウイルス感染症の感染拡大により、筑波大学東京キャンパス内に事務局を置き、オンライン開催に変更して準備を進めることになりました。つくば市での開催は第36回研究大会(2001年)以来、ほぼ20年ぶりのことでもあり、筑波大学関係者を中心とした実行委員会としては十分な準備の上で、皆様をつくばにお迎えして実りのある学術大会にしたいと思っていましたが、そのことができないことはたいへん残念に思っています。皆様におかれましても、新型コロナウイルス感染症の対応で絶えず状況が変化し、先の見えにくい不安と多忙の日々が続いていると思います。

このような状況の中にあって、第55回研究大会をオンライン大会での開催に変更し、大会実行委員会においても不慣れな準備状況ではありましたが、本学会に関わる多くの皆様の研究成果の発表の場を提供していくことが可能になったことは、本学会の皆様のご理解とご協力の賜物であり、今後の新たな学術大会のあり方を考える上でもたいへん貴重な機会をいただいたと思っています。

第55回大会では「ダイバーシティ社会」をキーワードに、筑波大学の社会人大学院生の力を借りながら実行委員会を組織し、教育、医療、福祉、心理、司法、当事者活動等の関係の方々が多く参加できる企画を検討してきました。実行委員会での議論をふまえて、今回の大会のメインテーマは「ダイバーシティ社会に向けて―支援からエンパワーメントへの転換―」としました。

記念講演は、医師であり当事者研究に関しても造詣の深い熊谷晋一郎先生(東京大学先端科学研究センター准教授・東京大学バリアフリー支援室長)から「当事者活動の力学―ディスパワー・エンパワメント・パワーレスネス」というテーマでの講演をいただきます。また、特別講演としては本学会理事長の菅野敦先生から「知的発達障害者の支援を考える―生涯発達支援と地域生活支援の視点から―」というテーマでの講演をいただきます。

その他、教育講演として、保健・福祉・医療・教育の政策動向と連携、応用行動分析の活用と理解、知能検査の活用と理解、発達障害に関する医学的な理解の4テーマにそって、各分野の第一人者の講師による講演を用意しています。その他、就労支援に関する学会企画シンポジウム、特別支援教育、障害児の療育支援、知的障害者の高齢化と認知症に関連する実行委員会シンポジウム、障害児・者の相談支援に関する公開セミナーといった企画も用意しています。

また、会員の皆様の研究発表の場として、ポスター発表に関しても72演題の発表、自主企画シンポジウム4演題の企画が予定されています。オンラインを介した活発な意見交換を期待したいと思います。

実行委員会としてオンライン大会ということから不慣れで十分対応できないことも少なからずあるとは思いますが、他方、オンライン大会としての特徴を活かしながらより有意義な研究大会となるよう大会準備に関わる実行委員をはじめ関係者一同努めてまいりたいと思っています。ぜひ、多くの皆様のご参加をお待ちしております。

令和2年12月

日本発達障害学会第55回研究大会
実行委員長  小澤 温

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